自分に合った賃貸併用住宅を見つけよう!| > 賃貸併用住宅のお役立ちコラム > このマンションは本当に大丈夫?住民に不安が広がる耐震装置改ざんの波紋
大手油圧機器メーカーである「KYB」が、免震・制振などの耐震装置「オイルダンパー」の性能検査について、そのデータを改ざんしていた問題が明らかになりました。
しかし、データ改ざんによる装置を用いたマンションについては公表されていませんので、自分の住んでいるマンションは大丈夫なのか?と不安が広がっています。
頻発する地震に不安を感じて、地震にも強いマンションを購入したのに、データが改ざんされていたと聞いてマンションの住民から不安の声が上がっているようです。
問題のある装置は、47都道府県のマンションや病院、庁舎など986件で使用されているようです。そのうち、マンションなどの住宅は265件と数多くを占めています。
そもそも免震構造とは、免震装置の上に建物を建て、地震が発生すると地面の揺れを免震装置が吸収する仕組みです。それにより、建物に揺れは伝わりにくくなります。
問題が指摘されたオイルダンパーとは免震装置の一部であり、油の粘りを利用して横揺れを抑えます。
免震構造を採用しているマンションで最も多いのは超高層マンションと考えられます。
1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災などで、免震構造の効果が実証され、普及に弾みがつきました。
免震技術は歴史的建造物に対する耐震化改修にも活用されていますし、東日本大震災が発生した時も免震構造のマンションに大きな被害はなかったとされています。
本来なら期待の高まる装置のはずが、住民に大きな不安を抱かせていることは問題といえるでしょう。
本当なら高い安全性が評価されるはずだった耐震装置のデータ改ざん問題について、KYBはどの建物に対象の装置が使われていたか公表しない姿勢を示しました。
しかし、耐震強化のために装置をつけたのに、データ改ざんがあった装置だとしたら安心できないという意見など、不安を訴える声が相次いでいます。
さらに国土交通省は、2018年10月23日に「光陽精機」製造、「川金コアテック」販売の免震・制振用オイルダンパーの一部にもデータの改ざんがあったことを発表しています。
この2社はいずれも「川金ホールディングス」の事業子会社ですが、オイルダンパーの検査データを改ざんし、発表した企業はKYBに続いて2社目です。
川金ホールディングスは、データ改ざんのあった耐震装置を使った物件の所有者や建築会社など、顧客の意向を踏まえながら交換など適切な処置を行うことを発表しています。
本当なら安心・安全を得るための装置が、不安を抱える装置になってしまったことは許されることではないでしょう。早急に対応を行うことが求められています。