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家賃収入が増えると配偶者控除が受けられなくなる?

家賃収入を得て将来の老後に備えたい、生活を楽にしたいと思って賃貸併用住宅を取得して資産運用を行うという方も多い事と思います。しかし、平成29年に配偶者控除の税制について改正が行われ、一定の所得を超えると配偶者控除が受けられなくなりました。これはどのような事なのでしょうか。

■配偶者控除とはどのような制度か

生活をするとなると食費を始め、衣服、住居費など様々な費用が掛かってきます。また、配偶者、子供も一緒となるとその負担は更に大きくなります。収入が無い又は少ない家族がいる場合には税制の面で配慮をしようというのが扶養控除の趣旨となります。扶養控除とは課税所得の計算において一定の金額を控除する事で課税所得を少なくし、納める税金を減らすという効果があります。配偶者控除とは、年間の合計所得金額が38万円以下で、生計を一にし、青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていない民法上の配偶者がいる場合に主たる納税者が受けられる控除の事をいいます。平成29年の制度変更により主たる納税者の合計所得金額によって配偶者控除が受けられないようになりました。この判定は合計所得金額によって行われるため、家賃収入を得ている場合には不動産所得も足し合わせた課税所得となるので注意が必要です。

■配偶者控除の制度変更

従来は配偶者の合計所得金額が38万円以下であれば38万円の配偶者控除を受ける事が出来たのですが、平成30年分以降の課税では主たる納税者の合計所得金額が配偶者控除の金額に影響を与える事となりました。
主たる納税者合計所得金額が1000万円を超える場合には配偶者控除が受けられません。更に段階的な措置として、主たる納税者の合計所得金額が950万円超1000万円以下の場合には13万円、900万円超950万円以下の場合には26万円が配偶者控除の金額となります。したがってサラリーマンの方で給与所得が800万円であっても、家賃収入に基づく不動産所得が100万円以上あると配偶者控除が従来よりも少ない金額となり、200万円以上となると配偶者控除が受けられないという事になります。

■配偶者控除の今後

今回の改正で家賃収入に基づく不動産所得も合計した合計所得金額が配偶者控除の適用に影響を与える事となりました。しかし、女性の社会進出を推し進めるためには配偶者控除の制度自体を廃止すべきという意見も根強いままです。今後も配偶者控除は廃止又は減額という方向に話が進む可能性は高い事から、賃貸併用住宅などの資産運用によって家賃収入を得るという事は老後の生活に備える事につながると言えます。