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マンションの設置されている耐震装置はデータが改ざんされている?


国土交通省は2018年10月16日、自動車や建設向けの油圧機器で大手である「KYB」と、子会社「カヤバシステムマシナリー」が、共同住宅などの建物に設置する免震や制振装置の検査データを改ざんしていたことが発表されました。

このうち、改ざんの疑いがあるものを含めれば、この改ざん問題に関係するシステムは全国の共同住宅や病院、庁舎、事務所など986件で使用されていると言われています。

耐震装置にも種類がある

このデータ改ざんがあった免震制振オイルダンパーですが、そもそもオイルダンパーには地震の揺れを吸収、制御する装置であり、築年の古い建物などの壁にはめ込まれている制振ダンパーもあれば、高層建物など地下の建物全体を支える免震ゴムなどと一緒に装備される免震ダンパーがあります。

データが改ざんされた耐震装置が設置された建物の数

震災などが度重なり、高層建物の免震性能を高める目的で、多くの建物に設置されるようになりました。しかし、今回、国が認定する基準値には適合しないダンパーを大量出荷していたことが内部告発で発覚したのです。

基準値よりプラスマイナス15%以内なら適合するはずのものが、基準値から乖離しているのに検査データを書き換えて出荷されていました。

2003年1月から2018年の9月までに見つかった計987件もの不正のうち、904件が免震ダンパー、83件が制振ダンパーとされています。

なぜデータを改ざんすることができた?

KYBは自動車部品メーカーとしての名のほうが有名で、自動車のサスペンションを構成する部品では国内シェア60%、世界第2位を誇ります。

今回問題となったオイルダンパーについては、国内シェアは40%と、自社の売り上げの中ではごく小規模な部門です。

競争相手がほとんどいない独占企業である中、自社製品に対する過信から、多少データがずれていたり、間違いがあっても指摘を受けることがなかったのでしょう。

なぜ改ざんする必要があったのか

免震ダンパーは多くが新築のマンションやオフィスなどに使用されます。

ダンパーは建物の基礎部分を構成するため、正しく設置されなければその後の工事のスケジュールにも影響が生じてしまいます。

今回、基準値に適合しないデータのダンパーであっても、交換すれば納期に間に合わなくなるため、改ざんして間に合わせたとも考えられます。

なぜマンション名が公表されない?

また、不正がみつかった987件のうち、物件名が公表された70件は公共施設などを中心とした公共性の高いもので、所有者の了承を得られたものに限り発表され、官公庁や自治体の建物がほとんどです。

しかし、不正が見つかった987件のうち約3割の265件は民間のマンションで、資産性に影響が及ぶことが懸念され、具体的な物件の名称を発表することが見送られています。

タワーマンションなどの区分所有者にしてみれば、早急にダンパーが交換され、何の問題もなく普段の生活を取り戻したいところでしょう。

さらに問題のあるマンションが中古マンションとして売却される場合や賃貸として供用される場合、重大な瑕疵があるのに事実が隠蔽されていることになります。

今後求められることは?

ダンパーを交換すればマンションの資産性は元に戻せるはずですので、本来なら早急にダンパーを交換し、迷惑を受けた建物を安全な状態に戻すことがKYBの義務といえます。

資産性を維持するために欠陥を隠すのではなく、物件名をすべて公表して早期の対応を行うことが必要といえるでしょう。